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小沢健二/「東京の街が奏でる」第一夜レポート

個人的な感想です。

ネタバレもあるため、見たい人のみどうぞ。

美しい光

フルバージョンで「ある光」が演奏された。今回のコンサート「東京の街が奏でる」では、「ひふみよツアー」で演奏されなかった多くの楽曲がセットリストとして用意されていた。その中でも、終盤に披露された「ある光」に第一夜の感動的なできごとが集約されていたように思う。

1997年12月にリリースされた「ある光」(アルバム未収録曲)は、表舞台から身を引く意思表明の楽曲だとファンのあいだでは指摘されている。本コンサート直前に行われたUstreamの中継では、”線路を降りた”その心中を次のように語っている。

「当時の僕は自分がやっていることを知れば知るほど、これはこのまま続けてはいけないと言うか、続けなくてもいいことなのかなと思うようになりました。(中略)僕自身が何をすればいいかというと、それは続けることではありませんでした。音楽が嫌になったから止めたというようなことはありません。むしろ、音楽がとても好きなので続けなくなったという方が当たっています」

続けるのを止め、線路から降りた小沢健二は、心の中に見えていた光(新しい想い、希望)を頼りに世界中への旅路へと歩み始めた。それは文字通りの旅であり、心の旅でもあったようにも思う。

そして、十数年が経ち、再び音を鳴らし始めた。

「うさぎ!」の刊行、ひふみよツアー、展覧会といった一連の活動で彼の”願い”が放たれたかどうかは分からない。むしろ、まだ放たれていないのかもしれない。 けれど、第一夜で「ある光」を演奏した瞬間、歌詞に描いた”全ての時間が魔法みたいに見えるか?”の答えが小沢健二を待っていたのではないか。

誰しも、悩みを友人らに打ち明けることで気持ちが楽になった経験があると思う。心理学用語では「カタルシス(浄化)」と言う。小沢健二も「ある光」を歌うことによって、”固い固い心のカタマリ”とも言える抑圧されていた想いが消失されたのではないか。「ある光」の演奏直前に「ぶち切れたいと思います」と言っていたのは、心の開放のことを示唆するものだったのだろう。

「『ある光』とは『心の中にある光』。光は全ての色を含んで未分化。無色の混沌。それはそれのみとして、分けられずにあるもの。切り分けられていない、混然とした、美しく大きな力。それが人の心の中にある。僕らの体はかつて星の一部だったと言う。それが結合して、体が在って、その心が通じ合ったりするのは、あまりにも驚異的で、奇跡で、美しい。」
(小沢健二「DOOWUTCHYALIKE」最終回”無色の混沌”より)

小沢健二は、抑え切れない感情を宿すかのようにエレキギターをかきむしり「ある光」を最後まで歌った。「ひふみよツアー」では16小節しか歌わなかったこの曲を、最後まで歌うその時が今きたのだ。

横たわる、長い、長い時間の積み重ね。そして、その存在を信じ、待ち続けた者たちとの想いの共有。全ての時間が魔法のように感じられ、そこに美しい光と光の結実が見えた気がして、涙せずにはいられなかった。

小沢健二の旅はまだまだ続くだろう。そして私たちの毎日も続いていく。それぞれの想い・希望という光を追い求めながら。この先、我々の時間とまたどのように交わっていくのか楽しみに待ちたいと思う。「光を、一緒に行こう」。

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