FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

小沢健二/幸せな夢(「魔法的」ライブレポート)


5月25日(水)、26日(木)
小沢健二 魔法的 Gターr ベasス Dラms キーeyズ.
Zepp Tokyo

2012年の「東京の街が奏でる」以来、約4年ぶりとなる小沢健二のライブツアー。この間の小沢健二における最大のニュースごとといえば、長男・凜音くんの誕生であろう。今回は新曲をいくつか披露するという。それらの曲には父親となった小沢健二の新たな視点が加えられているのだろうか。そして、何が「魔法的」なのか。そのあたりに注目してみようと考えながら、「ゆりかもめ」に揺られて会場へと向かった。


1曲目は「昨日と今日」。照明は全て落とされ、ステージ上は幕がかかっていて何も見えない。時折、バックライトにより演者のシルエットが映る。アップテンポにアレンジされた曲に合わせ、息を継ぐ間もないような胸の高まりを覚える。いよいよ始まる。

2曲目。ステージ上の幕に「魔法的」のロゴが映し出され、幕が下り、演者の姿が現れる。そして、ミドルテンポの新曲「フクロウの声が聞こえる」が歌われる――

といった具合に、新曲ほか「大人になれば」「ドアをノックするのは誰だ?」「天使たちのシーン」など既存曲を織り交ぜつつライブが進行していく。

ライブの様子などはまた別の機会に書くとして、今回は「フクロウの声が聞こえる」という新曲がワンステージの中で2度歌われることについて触れてみようと思う。


そう、2曲目で演奏された「フクロウの声が聞こえる」がライブのアンコールとして再び歌われるのだ。なぜ、新曲が2回歌われるのだろう。

軽い疑問を抱きつつも、まずは耳になじませようと全身をリズムに委ねつつ2回目の「フクロウの声が聞こえる」を聴くことにした。そして、ステージ上に映し出された歌詞をぼんやり眺めながら、あることに気が付いた。

ちゃんと食べること 眠ること
退屈を恐れずに進むこと
いつか絶望と希望が一緒にある世界へ

震えることなんてないから
泣いたらクマさんを持って寝るから
いつか本当と虚像が一緒にある世界へ

ひょっとするとこの曲は子守歌ではないのか。これから混沌とした日常へと踏み出していく、凜音くんに対するメッセージが込められているのではないだろうか。夜な夜な歌い聞かせている小沢健二の姿が思い浮かび、「彼ならやりかねないな」とにんまりしてしまった。

でも、ここはライブ会場。たくさんのいい大人達がこんなにも熱心に耳を傾けている。この曲が子守歌だと仮定すると、「魔法的」では以下のような意味を持つのかもしれない。

フクロウは夜に活動する生物だ。かたや、夜のあいだ多くの人間は寝ている。そして、すやすやと夢を見たりもする。つまり、「フクロウの声が聞こえる」時間帯には、人間は夢を見ているとも言える。よって、「魔法的」における「フクロウ」は、「夢」へと導く象徴として扱われているのではないだろうか。

この仮説に沿うと、1回目の「フクロウの声が聞こえる」という子守歌を起点に、会場のみんなは夢の中へいざなわれていくことになる。そしてライブは進行していく。

みんなにとって青春の象徴であろう小沢健二が目の前にいる! ルックスはびっくりするぐらい当時のまま! ギターかきむしってる! 懐かしい曲もたくさん! あの頃の気持ちを思い出して、みんなと歌って、踊って過ごせて嬉しい! いつまでもこの空間にいたい! と、夢のようなひと時を過ごす。

しかし、楽しい夢から目が覚めるときがくる。

その終点は、2回目の「フクロウの声が聞こえる」が演奏されたときだ。曲が終わり、「5! 4! 3! 2! 1!」とカウントダウンが告げられ、小沢健二は「日常に帰ろう」と言う。ここで夢が終わるのだ。

このライブツアーは、小沢健二がみんなに夢を見させるために用意した場なのかもしれない。ロック、ポップ、文学、哲学、王子様……みんながそれぞれ思う小沢健二像が詰まっている素敵なライブだったと思う。みんなに幸せな夢を見させてくれるなんて、まるで魔法みたいじゃないか。

そう、この白昼夢ともいえる共有体験そのものが「魔法的」と言うのではないだろうか。

(ライブの最初に演奏される「昨日と今日」については、「ディズニーランド」で言うところの、舞浜駅と入場ゲートまでをつなぐあのスロープのような、気持ちを高ぶらせる導入的な役割なのかもしれない。「昨日と今日」というタイトルからも、「日常と夢」という対比について暗示しているかのかも)


今回、新曲として用意されたのは7曲。どれも個性的で「LIFE」と「Eclectic」の中間に位置するようなポップソングばかり。ライブに行けば、お気に入りが1曲はできるんじゃないか。それぐらい完成度は高い。しかし、これらは音源としては発売されないのではと思ったりもする。

とすると、新曲はCDでもデジタルもなく、みんなの記憶の中に存在するだけのものになる。みんなは、その記憶を励みに日常を生きていく。日常を過ごすうちに、しだいにメロディーも歌詞も忘れて、楽しかった想いだけが残る。そして春のある日、ふと思うのだろう。もしかしたらあれは現実ではなく幸せな夢だったのかもしれないと。夢が夢ならそれでも構わない、とも。

そんなことを小沢健二は望んでいるんじゃないかと、帰りの「ゆりかもめ」の中で思ったのでした。小沢健二がいる、という安心感のゆりかごに揺られながら。

※セットリストは、5月25日(水)、26日(木)共に同じ

01. 昨日と今日
02. フクロウの声が聞こえる(新曲)
03. シナモン(都市と家庭)(新曲)
04. ホテルと嵐
05. 大人になれば
06. 涙は透明な血なのか?(サメが来ないうちに)(新曲)
07. 1つの魔法(終わりのない愛しさを与え)
08. それはちょっと
09. ドアをノックするのは誰だ?
10. 流動体について(新曲)
11. さよならなんて云えないよ
12. 強い気持ち・強い愛
13. 超越者たち(新曲)
14. 天使たちのシーン
15. 飛行する君と僕のために(新曲)
16. ラブリー
17. その時、愛(新曲)

<アンコール>
18. シナモン(都市と家庭)~フクロウの声が聞こえる(新曲)

関連記事

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

コメントの投稿

Private :

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです
このブログのメニュー
小沢健二 最新情報
小沢健二/小山田圭吾
フリッパーズ・ギター

小沢健二 小沢健二
2006年/2002年/1998年
1997年/1994年/1992年
外部サイト/オフィシャル

小山田圭吾(コーネリアス) 小山田圭吾
2003年/2002年/2001年
2000年/1999年/1998年
1997年/ 1994年
外部サイト/ オフィシャル

フリッパーズ・ギター フリッパーズ・ギター
1992年
山崎洋一郎による解説
解散時の反応
外部サイト

その他
ライブレポート/ 雑記

サイト内検索
ピックアップ
最新記事
タグ

小沢健二 ひふみよ 東京の街が奏でる 小山田圭吾 コンサート Ustream コーネリアス 我ら、時 展覧会 抽選 salyu×salyu 中目黒ラジオ チケット テレビ ポップ・アップ・ショップ ひふみよツアー 弾き語り パルコ タモリ 笑っていいとも! 坂本慎太郎 うさぎ! FANTASMA オペラシティ 柴田元幸 ゲスト フィッシュマンズ 結婚 モンキービジネス 読み物 中目黒テレビ 新町ラジオ Twitter ぼくらが旅に出る理由 フジファブリック ドゥワッチャライク セットリスト リマスター盤 未公開 砂原良徳 CD 表紙 相対性理論 メッセージ 今夜はブギー・バック ヘッド博士の世界塔 20周年 インタビュー さよならなんて云えないよ シッカショ節 デザインあ 真夜中の王国 東京大学 日比谷野外音楽堂 フリッパーズ・ギター 恋とマシンガン 小籔千豊 スチャダラパー 小山田米呂 ある光  まとめ ライブCD 作品集 Tシャツ 地図 エリザベス・コール 妊娠 MASHIROCK シークレット 田島貴男 マシロック 真城めぐみ パパ セッション パルコ・ミュージアム 『我ら、時』展覧会とポップ・アップ・ショップ カジヒデキ ライブ 子ども 生配信 ホフディラン Cornelius 布袋寅泰 ブギー・バック 予約 スケッチショウ アンケート 申込み 川勝正幸 凛音 息子 りおん 3D 

管理人

エコロ

Author:エコロ
都内在住、1978年生まれ♂。15歳のときに渋谷系の洗礼を受け以下略。元々は「ゴーダウンザドレイン」という同内容のサイトを2000年7月から運営していました。フジロック、朝霧JAMに小沢・小山田が来ますよーに!
twitter

FC2カウンター
PR
小沢・小山田アイテム
超LIFE
■超LIFE
2014年12月17日発売。小沢健二初のDVD映像集!

渋谷系
■渋谷系
2014年9月9日発売。「第7章 フリッパーズ症候群」

我ら、時 通常版
■我ら、時 通常版
2014年3月19日発売。ひふみよツアーからの3枚組ライブCD。

攻殻機動隊ARISE O.S.T.
■攻殻機動隊ARISE O.S.T.
2013年11月27日発売。小山田圭吾が手がけた、劇場版アニメ『攻殻機動隊ARISE』シリーズのオリジナル・サウンドトラック。

MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2013年 12月号 [雑誌]
■MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2013年 12月号
2013年11月20日発売。攻殻機動隊サントラ発売に合わせての、小山田へのインタビュー掲載。

NHK「デザインあ」
■NHK「デザインあ」
2013年1月23日発売。音楽をコーネリアスが手がけた同名番組のサウンドトラック。

小沢健二作品集 我ら、時
■小沢健二作品集 我ら、時
2010年「ひふみよ」ライブCD3枚組(31曲収録)、「ドゥワッチャライク 1994-1997」ほか同梱。15,000円(税込)。

MUSIC MAGAZINE(ミュージックマガジン 2012年5月号)
■ミュージックマガジン 2012年5月号
2012年4月20日発売。2010年に突然復活し、コンサートを行った小沢健二。今度はそのコンサートのCDを含むボックスの発売もアナウンスされた。独自の活動を展開するオザケンの“今”を考える。ボックス・セット「我ら、時」詳細レビュー+復活から今日までの動きを追う+独自の活動スタイルほか。

モンキービジネス 2011 Summer vol.14 いま必要なもの号
■モンキービジネス 2011 Summer vol.14 いま必要なもの号
2011年7月20日発売。小沢健二への最新インタビューが24ページ掲載!

CM4
■CM4
2012年9月5日発売。コーネリアスが手がけたリミックス作品集の第4弾。

■Sound & Recording Magazine 2012年9月号
坂本慎太郎「幽霊の気分で(cornelius mix)」の特別CDが付録で付いてきます。

Fantasma(初回限定盤)
■コーネリアス「Fantasma(初回限定)」
2010年11月3日発売。リマスター盤。「ファンタズマツアー」のDVD付き。


ミュージックマガジン 2010年12月号
■ミュージックマガジン 2010年12月号
小山田圭吾と砂原良徳が語る1997年と2010年の『FANTASMA』


■ミュージックマガジン 2010年5月号
4/20(木)発売。”オザケン”の魅力をその足跡から振り返る。


Sound & Recording Magazine 2010年11月号
■Sound & Recording Magazine 2010年11月号
小山田圭吾×砂原良徳対談。砂原は、「ヘッド博士の世界塔」を自分用にリマスターしているとのこと。欲しい…!

ROCKIN' ON JAPAN 2010年 05月号
■ROCKIN' ON JAPAN 2010年 05月号
小沢健二 書き下ろし「序文のようなもの」&2万字インタビュー再録。

小沢健二 アルバム


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。