フリッパーズ・ギター特集/解散(7/8)

[トーク] 山崎洋一郎(ROCKIN'ON)、中村貴子
[放送日] 1996.01.08
[放送局] NHK-FM
[番組名]フリッパーズ・ギター特集(7/8)



■結構ひどい解散劇。でも、美しい誠実な解散。

中村貴子「あのう、やっぱりこの特集をやって必ずたくさくる質問なんですけれども、『なんで解散しちゃったんですか?』ってのが多いんですけれども。どういう形で発表したんですか? 」

山崎洋一郎「発表はしなかったんですよ。で、結構ひどい解散劇があって。まあ、ツアーもブッキングされてた、このラストアルバム『ヘッド博士の世界塔』を出して、そのあとのツアーを告知をした。あブッキングしたのかな? その段階で、解散。勝手にメンバーが」

貴子「言っちゃったんですか 」

山崎「ええ。だからまあ、レコード会社的にもすごく問題になったし」

貴子「ハラホロヒレハレ~ですよね、それこそね」

山崎「某大手新聞では何か叩かれてましたよね。『責任感のない若者の代表だ』……や、確かにそうだったんですけど(笑) 」

貴子「やっぱり、音楽性とかの違いがどんどん出てきちゃったんでしょうか?」

フリッパーズ・ギター - DOCTOR HEAD'S WORLD TOWER(ヘッド博士の世界塔)
フリッパーズ・ギター - DOCTOR HEAD'S WORLD TOWER(ヘッド博士の世界塔)
1991年7月10日発売。3rdアルバムにして最終アルバム。初回限定盤には3Dメガネが付いていた。

同年9月21日、解散をスタッフに突如告げ、連絡不能状態に。結果的に、同9月19日に東京FMホールで行われた公開録音ライブが最後の活動となった。
山崎「それでねえ、あの~まあそういう迷惑をかけた解散だったっていうことと、もうひとついろんな噂がやっぱり飛んだんですよ。そういう形で解散したんで、『タレントの渡辺満里奈さんの取り合いだ』とかそういう噂がありましたけど(笑)」

貴子「(笑) 」
山崎「…それで、ソロデビューした時に僕も、当然、『なぜ解散したのか?』っていう話を再三メンバーにしつこく聞いて回ったんですけれど、まあ、”音楽性の違い”ってことよりも、フリッパーズ・ギターとして、もう本当に”やることは終わった”っていうことだと思うんですよ。それは僕は綺麗事で言っているわけでもなんでもなくて、やっぱラストアルバムを聴けば本当に分かると思うんですよね。ちゃんと聴けば」

貴子「うん、さっき言ったみたいに『これやったら終わるしかないだろ』って言ってましたけど」

山崎「そうですね」

貴子「音的にもそうなわけなんですよね」

山崎「そうです。で、やっぱりトレンディーって言うか、はやりのサウンドをちりばめたようなバンド、っていうふうに思われていたふしもありましたけど、決してそんなことはなくて。ひとつのすごく明確なコンセプトみたいなものがしっかりあったバンドなんで、それにキチっと落とし前をつけて、その後やっぱズルズルやってても仕方ない、ってそういうことが大元にはあったと思うんですよねえ」

貴子「行くとこまで行っちゃたんでしょうね、フリッパーズとしてはね」

山崎「そうですね、うん。でまあ、それがどういう形でどういうふうに話が進んだのか、とかは僕は知らないですけど、あの~、僕はすごく美しい清潔な、あの~責任……誠実な解散だと思いますけど。うん」

貴子「小沢さんと小山田さんがフリッパーズに対して正義と言うか」

山崎「そうです」

貴子「こう、綺麗にっていう感じはありますよね。正直にっていうね。フリッパーズ・ギターっていうものに対してね」

山崎「でそのまあ、さっきからインタビュー受ける態度がね、ほかのバンドと違うとか態度が悪いとか、で歌詞もさっきお聴きになったとおりかなり攻撃的な歌詞もあったりとかするんで、元々そういうロックみたいなものに対して、日本の音楽みたいなものに対して、『そんなんじゃダメだろう』『もっと鋭く高いレベルでいこうよ』っていうのが大元にあったと思うんですよ」

貴子「うんうん」

山崎「で、それをやっぱりほかに対して言うだけでもなくて、自分たちに対して絶えず『本当に俺らちゃんとそういうふうに鋭くやれてるのか?』っていうことを絶えず考えていたバンドだと思うんですよね。で、だからやっぱりこういうラストアルバムのようなアルバムを作ったからには、ズルズルとカネの為にとか何かの為とかで続けるのはやっぱりよくない、っていう判断だったと思うんですよね」

貴子「潔いいって感じしますよね」

山崎「うん」




■複雑なファン心理。
 
貴子「じゃあやっぱり、最後ということで何となくイメージ、『DOLPHIN SONG』、いこうかと思うんですけど」

山崎「はい。これはラストアルバムの最初に実は入ってる曲なんですけども、詩のなかに」

イルカが手を振ってるよさよなら

っていうフレーズがあるんですがね、だからファンにしてみるとこの時点で『やっぱり時点でフリッパーズは……』っていうのはある。それは真意かどうかは分かりませんけども」


貴子「う~ん、リクエストをくれた滋賀県の○○ちゃんはねえ 」

ハガキ「私は 『DOLPHIN SONG』にリクエストします。この曲って本当に海のなかで聞こえてきそうな感じがするんです。心の奥底からほっと落ち着けるって感じがします」

貴子「……というねえ、おハガキ書いて頂きました。それでは聴いて下さい。フリッパーズ・ギターで『DOLPHIN SONG』」


♪『DOLPHIN SONG』


貴子「フリッパーズ・ギターで 『DOLPHIN SONG』という曲を聴いて頂きました。さて、続いてのおハガキなんですけど、広島県にお住まいの○○さんという方ですけどねえ」

ハガキ「 す・すごい、すごい、すごい! フリッパーズ・ギターの特集なんて! でもちょっぴりもったいない。そして悲しい。だってこれでまたパーフリファン続出してしまうよ~」

貴子「…あー、この気持ちも分かりますよね」

ハガキ「……私いま大学4年生で22歳なんですけどパーフリとの出逢いは16歳、高校1年生のときだったんです。雑誌も読みまくったし、だけどその次の年、突然の解散。泣いたけど、パーフリらしくてすっきりもしました。一度も 2人のライヴは観れなかったんですけど、6年経った今でもまだ私のナンバーワンです。彼らとの出逢いによって今の音楽の好みになったようなものなんです。高校の時は誰も知らなくて孤独だったんだけど、今は『センスがいい』ってみんなに言われています。ありがとう、パーフリちゃん。決して再結成しないで」

山崎「…偉い!(笑) 」

貴子「この複雑なファン心理、よく現れてますよね。あの、ちゃんとその時にリアルタイムでファンだった人の複雑なこの気持ち。『聴いて欲しいけども、今からみんなファンになんないで』みたいな(笑) 『でも復活して欲しいけどしないで』っていう、ねえ」




■再結成? 確率、ゼロじゃないですか。まず、絶対にありえない。
 
貴子「あの~、毎日聞いているんですけども、フリッパーズ・ギターが再結成をする確率」

山崎「確率、ゼロじゃないですか。まず、絶対にありえないことだと」

貴子「ありえないですねえ。彼らのさっきから聞いている”美学”とかからいっても、ありえない感じしますよね」

山崎「そうですよね、うん、徹底してますからね」

貴子「うん」

山崎「で、今それぞれ個人的にコーネリアスと小沢君がやってること、っていうのはそれこそ評価されているし、フリッパーズ・ギター時代よりもセールス的にも売れているし、支持者がそれぞれいるわけですよねえ。再結成する理由が無いですよね」

貴子「全くね」

山崎「うん」

貴子「じゃ、今週お送りしているなかでは、確率的には最も低いと」

山崎「どうなんだろう(笑)。僕、あんまりTMとBOOWYのことよく分かんないんですけど。どうなんでしょうねえ(笑)。TMネットワークは何ておっしゃってたんですか? 」

貴子「あした」

山崎「あした、なるほど」

貴子「だから、平山さんが何パーセントとおっしゃるか。これは、あくまでも山崎さんが見たところの」

山崎「僕が決めるわけじゃないんで(笑)」

貴子「だから、山崎さんの想像ですよね」

山崎「そうですよね。でもホラ、彼ら天の邪鬼なところがあるから、僕がこうやってラジオとかで『ゼロだ!』とか言ったら、『バカヤロー、じゃあ再結成してやる!』って(笑) 」

貴子「じゃあ、みんなが『するわけない』とか」

山崎「なんないと思います(笑)」

貴子「やんないね、それでもやんないですよね(笑) 」

山崎「絶対にやらないです(笑)」

貴子「そっかー、そうか限りなくゼロに近いというねえ」




■二人の仲が悪いだとか。
 
山崎「でも、仲が悪いだとか何とかいう噂もそれもねぇいろいろ出てますけど、それは何を根拠にして言っているのか僕は知らないですけど、そんなことはないんじゃないでしょうかねえ。ま、バンド、フリッパーズやってた頃みたいに、しょっちゅうつるんで洋楽のコンサート、いっつも行ったら2人で居たりしましたからねえ、洋楽なマニアックなコンサートとか行くとか」

貴子「その頃から、もう普通以上に仲がいい、っていうか大親友みたいだったんですよね」

山崎「それはまあ、当然無いでしょうけど。だから、僕なんかは自分でやってることなんで余り大きな声では言えないんですけど、自分の雑誌とかでやっぱりそういうこと聞くじゃないですか、『いま小沢君に対してどう思ってるのか』『いま小山田君に対してどう思ってるのか』」

貴子「お互いにお互いのことをね」

山崎「そうですね。まず、ソロデビューをして一発目でそれを聞いたんですけど、まあ小山田君は小沢君のデビューした最初の音を聴いて、『尾崎豊みたいだ、何であんなになっちゃったんだ』って言うふうに」

貴子「へ~え」

山崎「で、小沢君は小山田君のコーネリアスの音を聴いて……う~んと、何て言ってたんだっけな……『ピチカート・ファイヴの音と、何とかが好きみたいなバンドに見えたねえ』……みたいな、まあ割とネガティヴな発言があって」

貴子「うんうんうん」

山崎「ま、そういうところを僕としては当然ピックアップして見出しにしたりするんだけど」

貴子「雑誌、載せるわけね(笑) 」

山崎「うん、そう思うんですけど、僕はただ単に、お互いの音楽性に対する考え方を聞いただけで、仲いい悪いとかいうのは全然別レベル」

貴子「感想ですもんね」

山崎「うん」

貴子「『聴いた感想は?』っていう」

山崎「そうなんですよ」

貴子「なるほど。じゃ、また曲のほうにいきたいと思います。……『星の彼方へ』聴いていただきたいと思うんですけど。これはラストアルバム? 」

山崎「そうです。ラストアルバムのなかで数少ない元気のいい曲なんで(笑) 」

貴子「はい。じゃあ聴いていただきたいと思います。フリッパーズ・ギターで『星の彼方へ』 」

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